IFA(Independent Financial Adovisor)とは、内閣総理大臣の登録を受けて『金融商品取引業者』、いわゆる証券会社等と業務委託契約を結び、独立・中立的な立場から資産運用のアドバイスを行う専門家のことです。


 

ブログ「賢者は歴史に学ぶ」2019年12月

 

今回はリーマンショックを振り返ります。

 

「リーマンショック」とは、2008年に米大手投資銀行リーマンブラザーズが破綻したことが引き金となり、世界中に連鎖する金融パニックの事です。

 

当時の米国経済は、2001年の米国同時多発テロやITバブル崩壊の影響を受けて低金利政策を続けていました。その結果、高い利回りを求めて大量の資金が不動産市場に流れ込みます。住宅ローン会社は上がり続ける住宅価格を横目に、本来は自宅を持てない低所得者にまでお金を貸し付けます。もし返済が滞れば、担保物件を売却して資金を回収すればよいと考えていたからです。

 

その低所得者向け住宅ローンのことを「サブプライムローン」と呼びます

 当時の米国では低所得者や無職の人でも簡単にローンを組んで家を買える時代でした。米国住宅ローン市場の規模は1,500兆円近くにまで膨れ上がります。サブプライムローンは、その内の20%以上を占めていたといわれています。

 

米国にはサブプライムローンに関連するビジネスが数多く存在していた

投資銀行は住宅ローン会社からサブプライムローンを購入して、ほかの金融商品と混ぜ合わせてパッケージに作り替えます。それを買い取った証券会社が顧客に転売します。また、この金融商品には格付け会社から最高品質(AAA)が保障され、破産保険(CDS)もありました。(パッケージとはCDO:債務担保証券などです)

 

住宅市場が2007年から下がり始めた

1980年代の日本の不動産バブルも同じ構図ですが、米国でも営業利益を追求する金融機関は住宅ローンビジネスに傾斜していきます。そして膨張した住宅市場は2007年から一転下落に転じます。担保物件を売却しても融資残高を回収できない金融機関が続出しました。本格的な住宅バブル崩壊の始まりです。

 

リーマンブラザーズには公的資金が入らず

リーマンブラザーズが破綻する半年前に米証券大手ベア・スターンズが経営危機に陥りました。 その時は、FRB(連邦準備理事会)が救済します。多くの市場関係者が危機に瀕したリーマンブラザーズ に米国政府が手を差し伸べると考えていました。しかし米国政府やFRBによる救済が見送られたことで買収を申し出る金融機関は現れませんでした。

 

リーマンブラザーズ破綻

NYダウ平均は200710月をピークに下落が続いており、市場関係者は夜も眠れない日々を過ごしていました。そして、サブプライムローンに注力していたリーマンブラザーズが2008915日に倒産します。その負債総額6,000億ドルは米国の歴史上、最大規模の倒産です。連鎖倒産を恐れた金融機関は不動産や株式など保有している資産の現金化を急ぎます。

 

そして、世界中の金融資産が暴落します。その影響は日本にも及びました。2007718,000円を超えていた日経平均株価も200810月に7,000円近くにまで暴落します。米国発の世界同時株安に世界中が震え上がりました。

 

生き残りをかけた金融機関の再編が始まった

リーマンブラザーズが破綻した日、私が以前勤めていた米大手証券会社メリルリンチも米投資銀行バンク・オブ・アメリカに買収されます。当時、メリルリンチはリーマンブラザーズを救済する側で交渉にあたっており、逆に銀行に買収されたことで衝撃を受けました。

 

その後も世界的な保険会社AIGグループの株価が1ドルまで暴落するなど政府の救済がないと連鎖倒産が止められない状況にまで追い込まれます。

 

遅すぎた救済劇

リーマンブラザーズには手を差し伸べなかったFRB(連邦準備理事会)も重い腰を上げます。ニューヨーク州知事の要請を受けて保険会社AIGグループに850億ドルの緊急融資を決定します。金融機関の再編劇が一旦落ち着きを取り戻しますが、世界的な株価の下落はまだ続いていました。

 

ドル安・円高が加速した

日本への影響は軽微であると考えられていましたが、大和生命保険が破綻し農林中央金庫が大幅な評価損を計上します。 日本企業に深刻な影響を及ぼしたのはドル安・円高の加速です。100年に一度といわれる世界恐慌の発信地が米国だったことから米ドル通貨の信認が揺るぎます。20076月に1米ドル124円だった為替レートは、200812月に1米ドル90円を割り込みます。輸出企業には大打撃でした。

 

世界の枠組みが変わる

20196月に日本で初めて開催された「G20大阪サミット」は、リーマンショックがきっかけで始まった20カ国首脳会談です。それまでのG7(先進七カ国)だけでは、グローバル化した世界経済を制御できなくなってきたからです。

 

おわりに

リーマンショックは米国の低金利政策が原因であったといわれています。金利の引き締めが遅すぎたとの認識でしょう。そのため、各国中央銀行は政府から独立した立場で金融政策を行い、有事に備えて他国との連携を深めることが重要です。折を見て歴史を検証することで、将来に備えたいと考えます。


コラム「会社四季報はこう使え」2019年8月

 

銘柄選びのバイブル、東洋経済の「会社四季報」には根強いフアンがいます。

(外国人にもファンが多いらしい)

 そこで、私の会社四季報を読む時のポイントを6点にまとめてみました。

 

     要約された解説記事を前号と読み比べれば、業績の変化を予想しやすく、新規事業への取り組みも分かる。 

 

     どのセグメント(部門)が会社の利益に貢献しているのか?また、今後の稼ぎ頭はどの部門になりそうか?を予想するには、【連結事業】欄の部門別売上構成比率(セグメント利益率)を参考にします。【海外】【輸出】【貿易】欄で為替変動時の株価への影響も予想できます。

 

     最大の特徴である独自の業績予想をみれば、売上高利益率などの各種指標も簡単に算出できますし、同業他社との比較にはとても便利。掲載されている1株利益を使えば、二期先の株価収益率(PER)も簡単に算出できる。※PER(倍)=株価÷EPS(1株利益)

 

 

     取引所における外国人の売買シェアが一段と高まっていることから、[外国人持ち株比率] [浮動株比率] [株主構成]の欄も要チェック。外国人持ち株比率の高い会社は、海外株式市場との連動性が特に高いような気がします。

 

     最近流行りの自己株買い(株主還元)の予想には、財務諸表を使いたいので【財務】欄の自己資本比率や利益剰余金、並びに【キャッシュフロー】欄を参考にします。

 

     多くの企業が3月決算なので、「会社四季報」の発売日が3月、6月、9月、12月であることも重要です。

 

金融商品取引法では決算日から45日以内に四半期報告書(有価証券報告書は3か月以内)の情報開示を求めているが、取引所は、それよりも少し前に決算短信による情報開示を求めています。その発表日が、上場企業の決算発表日であり、市場関係者の最大のイベントになります。(多くの関係者は発表時間まで確認しており、その時間になると株価が決まって乱高下)

 

その為、決算発表日の少し前に「会社四季報」を手にすることに意味があります。

 

インサイダー情報が無くなり、市場の透明性が高まるほど、情報開示(決算発表)によるマーケットへのインパクトは大きくなります。米国では株価への影響や企業の負担を考えて、「決算発表を年1回にした方が良い!」との意見まであります。

(個人的には投資家軽視だと思うのですが・・・)

 

最後に

外国人の売買動向や証券アナリストの作成するレポートに注目が集まりがちですが、応援したい企業を見つけて中長期に投資できる個人投資家こそ、本来マーケットの主役になるべきです。

 

上場企業を網羅した「会社四季報」で投資家の裾野が広がることを期待しています。(北田雅人)

 

※当コラムは楽天証券HPトウシルにも一部修正の上、掲載しております。